焼津市:床下から聞こえる「変な音?!」 -点検口の大切さを実感した事例と、設置の背景
30年前に新築された 焼津市のOB施主様のお宅で「洗面所の床下から変な音がするので見て欲しい」とご相談がありました。
早速お伺いしてみると、確かに聞き慣れない音がしています。
ブレーカーを落としても音は止まらず、水道メーターを見ても針は動いていません。
電気系統でもなく水漏れでもない…一体何が原因なのでしょう。
当時の住宅は、床下点検口が設けられていない場合も多く、こちらのお宅もその一例でした。
原因を突き止めるため、洗面所に新たに点検口を作って床下に潜ってみることにしました。
床を開けてみると…

原因が見えてきました。
なんと、エコキュートのお湯の配管から勢いよく水が噴き出していたのです。

すぐに水道業者に修理を依頼し、作業後には床下点検口を後付けしました。


これで今後、何か気になる症状が出てもすぐに確認することができます。
点検口が一般的になった背景
現在では、新築住宅に点検口を設けるのはごく一般的になっています。
特に、長期優良住宅の認定を目指す家づくりや、住まいの将来的なメンテナンスを考えると、ほとんどの住宅で設置されています。
その背景には、2000年(平成12年)に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」があります。
この法律により、住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防ぐ部分について、10年間の保証(瑕疵担保責任)が義務化されました。
さらに、同じ時期に導入された「住宅性能表示制度」では、維持管理対策等級という項目が設けられ、住宅を長く快適に使うための”点検・補修のしやすさ”が評価対象になりました。
これがきっかけとなり、床下や天井などに点検口を設けておく設計が一般的に広まりました。
そのため、現在の新築住宅では「点検口を備えておく」ことが標準的な考え方になっています。
今回の事例のように、点検口がない場合は原因特定に時間がかかることがあります。
リフォーム工事、とくに水まわりの改修では、将来の修繕や点検を見据えて、洗面所やキッチンに点検口を追加しておくと安心です。
最近は、縁のないスッキリしたデザイン(設置例の写真はありませんが…)や、床材に合わせた目立ちにくいタイプもあります。
普段、何気なく目にしていると思いますが、点検口に注目して施工例をご覧ください。
▼床下点検口






▼天井点検口



今回は、床下点検口の大切さを改めて実感する出来事でした。
普段目に見えない場所ですが、そこには住宅の寿命や快適さを守る大事な設備が詰まっています。
「うちには点検口があるかな?」
「水まわりのメンテナンスが心配…」
そんなふうに感じたら、ぜひ点検口の有無を確認し、必要に応じて設置を検討してみてください。
備えがあることで、住まいのトラブルも早期発見・早期対応につながります。